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実は意外と多い、初恋が同性の文豪!あのノーベル文学賞受賞作家も…?

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近年、ニュースやテレビ番組で積極的に取り上げられるようになったテーマの一つがLGBTについての話題。世界的に有名な著名人でもカミングアウトする人が増えています。

LGBTという言葉には様々な意味が含まれており決して同性愛だけを指すものではありませんが、ここでは大抵の人にとって重要な出来事である「初恋」の相手が実は同性だったという文豪を紹介します。

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『夭折した作家、梶井基次郎の記憶に残る初恋』

素晴らしい才能を持ちながらも若くして肺結核によって命を落とした梶井基次郎は、流れる星のように一瞬のきらめきを文壇に残した夭折の天才でした。

彼は早くから自分の外見が人より劣っている事を自覚しており、女性に憧れはするものの親しい仲になる事は出来ないだろうという、諦めの気持ちを抱えていました。

しかしそんな彼ですが同じく作家であった宇野千代に恋心を抱き、彼女との仲が取り沙汰されていた時期もあったようです。

その恋も宇野千代が後に語ったところによると友情以上恋愛未満のような関係性だったとの事。この2人の話はよく知られていますが、10代の頃に同級生で野球部に所属していた美少年に対して、彼が淡い恋心を抱いていた事があるという事実は作品だけでなく彼自身に興味を持たない限り、ほぼ知る事は無いでしょう。

彼は憧れの美少年の家へ行って宿題を手伝うなど友人として交流していましたが、それから数年経った頃にも自分の夢にその美少年が出てくるという体験をしています。

10代の多感な時期に出会った可愛らしい少年は、たとえ同性であっても彼の心に鮮烈な印象を残したという事が伺えるエピソードです。

『孤独な少年時代を過ごした川端康成の心を温めた、同室の下級生』

梶井基次郎が肺結核の療養で訪れた場所である伊豆で知り合った川端康成は、ちょうど「伊豆の踊子」を刊行しようとしていたところでした。

歳下でありながら優れた才能を持つ梶井に、彼は校正を手伝ってほしいと依頼します。そんな逸話を持つ「伊豆の踊子」を始め、純真無垢な少女を描いた作品を数多く残しノーベル文学賞まで受賞している彼ですが、なんと彼も梶井と同じで10代の頃に同性への恋を経験していたのでした。

その相手は寄宿舎で同室になった下級生で、寝床で身を寄せ合って眠るなど互いにほのかな思慕を抱きつつ過ごしていた事が本人によって語られています。そもそも両親を早くに亡くし、世話をしてくれていた祖父母も中学3年生までに亡くなり孤独に過ごす中で、家族が与えてくれるはずの温かな愛情を求めた結果の恋だったのかもしれません。

この頃の出来事は「少年」という作品になっており、当時の心情などが彼自身の言葉で表現されているので気になる方はぜひ読んでみて下さい。

『男色研究に勤しんだ江戸川乱歩の初恋は、やっぱり男の子だった』

こちらはファンが知っても「やっぱりか…」と納得してしまうかもしれない江戸川乱歩のエピソード。

彼はそもそも「男色研究家」であり(若干違うかもしれませんがわかりやすく言うとBLについて日々研究していた人)同じく作家である稲垣足穂や多岐に渡って様々な研究をしていた南方熊楠など、わかる人にはわかる濃すぎるメンバー達と研究の成果を見せ合っていたのでした。

そんな彼の初恋相手は中学の同級生だった男子。言葉を交わすのもままならない関係だったものの、ラブレターの中での彼はなぜか積極的且つ大胆。

「君を食ってしまいたい」などという乱歩らしさ溢れる言葉を綴っていました。しかし現実では手を繋ぐ事だけで精一杯だったそう。

ちなみに男色研究仲間の中で特に親しかったのが画家であり風俗研究家でもあった岩田準一。作品の挿絵を描いてもらったり、時には執筆のヒントを与えてくれる良き友人でした。

その仲良しエピソードに何かを感じたのか、岩田の孫にあたる人物の岩田準子さんは「二青年図 乱歩と岩田準一」という、2人はもしかしたら恋愛関係だったかも…的な内容の小説を出版されています。現在絶版ですが、興味のある方は探してみましょう。

『感受性豊かな作家達は、男女関係なく人を好きになる』

紹介した作家達が10代の頃は現在のような男女共学が当たり前でなく、身近な存在である同級生に恋心を抱く事は決して珍しい話ではありませんでした。

彼らは同性ばかりの環境から社会に出て、女性を愛する事を知りやがて結婚しますが、実際に同性愛者だったという作家も少なくありませんし、たとえ思春期の一時的な感情だったとしてもお互いが理解し合い必要とする相手なら、彼らにとって性別などの問題は些細な事だったのでしょう。

檸檬 (角川文庫) [ 梶井 基次郎 ]
川端康成 十六歳の日記/少年/故園(抄) /日本図書センタ-/川端康成
伊豆の踊子 (角川文庫) [ 川端 康成 ]
二青年図 乱歩と岩田準一 /新潮社/岩田準子
江戸川乱歩傑作選改版 (新潮文庫) [ 江戸川乱歩 ]

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