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近代文学初心者さん必見!迷ったらとりあえずこれを読もう!

書評

「文豪ストレイドッグス」や「文豪とアルケミスト」など文豪をモチーフにした漫画やゲームがブームになり、今まで国語の授業でしか近代文学に触れた事がないけれど、この機会にぜひ読んでみたいという人も多いのではないでしょうか。

しかし、いざ読むとなると何から読めば良いのかわからない、代表作を読んでみたけど難しくて途中で投げ出してしまった、という人も少なからずいるはずです。

そこでこの記事では初心者でも読みやすく、その文豪の世界観を味わえる作品を紹介していこうと思います。

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イメージだけで敬遠するのはもったいない!ユーモア溢れる作品多数の太宰治

まず始めに紹介するのは太宰治の作品。

文豪と聞いてまず頭に浮かぶのはこの作家、という人も多いのでは。

非常に優れた才能を持ちながらも荒んだ私生活を送り、様々な問題を起こした挙句に最後は入水心中するという波乱万丈な彼の人生は、38才で幕を閉じます。

その短い生涯の中で残した作品は自身の退廃的な生活や恋愛をモチーフにした私小説が主であるというイメージが強いかもしれませんが、実際はユーモアに満ちた内容や男性には理解出来ないはずである女性特有の感情など、幅広いテーマを扱ったものが多数残されています。

そんな彼の小説のファンであった女性から届いた手紙を題材にした短編「女生徒」は、思春期の少女が感じる日々の不安や切なさをみずみずしく描いた作品。女性が読めば共感する部分も多く、複雑な女心を理解する太宰の豊かな感性に感嘆するでしょう。

奇術師の異名を持つ変幻自在の作家、初心者にも読みやすい短編の名手の川端康成

日本人で初めてノーベル文学賞を受賞した事で知られる川端康成

彼は日本人特有の感性や価値観を、四季折々の風景や生活に溶け込む文化などと共に美しく描いた作家であり、日本文学界でも極めて重要且つ評価の高い人物です。

「雪国」や「古都」など長編の作品を多く残していますが、彼は短編小説の名手でもあるのです。「掌の小説」は普通の短編よりも更に短い、たった数ページほどの小さな物語がまとめられた作品集。

短いものばかりが数多く収録されているとはいえ、決して片手間で書かれているわけではなく、それぞれの完成度は非常に高く驚かされます。

ひとつひとつ味わいながら読む事によって、短編から長編に至るまでどの作品も常に名作にしてしまえる彼の、恐ろしいほどの才能を感じる事が出来るでしょう。

初心者にぜひとも手に取ってほしい一冊です。

好みは分かれるがチャレンジしてほしい、妖しい魅力に惹きつけられる谷崎潤一郎

川端康成と共にノーベル文学賞候補にあがっていたのが谷崎潤一郎

もう少し長生きしていればノーベル文学賞は彼が受賞していたという話もある、誰もが認めた文壇の重鎮でした。

高い文学性を持ちながら、誰でもつい興味を持ってしまうような男女の関係や秘密をわかりやすく簡潔な文章で綴った数々の作品は、イメージよりもずっと読みやすいのが特徴です。

短編である「刺青」は処女作且つ彼が常に描き続けたテーマやモチーフが登場し、すでに確固たる世界観を持っていた事が伺える作品です。

そのため、言ってしまえばこの「刺青」が受け入れられなかった場合はほとんどの谷崎文学を楽しむ事が出来ないという事でもあります。

逆にもっと刺激の強いものが好き、という人にはこちらも初期の短編である「少年」がおすすめ。幼い少年が性的倒錯の世界に迷い込んでいく様を描いたこの作品を読めば、谷崎文学の魔力に酔いしれる事でしょう。

実は初心者に一番おすすめ!教科書にも載っている知名度抜群の芥川龍之介

教科書でその名や作品を一度は目にした事がある作家、それが芥川龍之介。

時代の寵児として文壇の中心で活躍している中、彼は服毒自殺という壮絶な最期を遂げます。

そのような事から陰鬱なイメージを抱く人も多いと思いますが、実は近代文学初心者に最もおすすめしたい作家なのです。

彼の作品はほとんどが短編であり、その中でも「鼻」「芋粥」など日本の古典を題材にしたものが多いためどこか昔話のような印象を受けます。

文章にも小難しさはなく非常にわかりやすくなっているので、気負う事なく読めるはずです。

『初心者がぜひ押さえておきたいポイントのまとめ』

ここまで4人の文豪の作品を紹介してきましたが、初心者が挑戦しやすい作品の共通ポイントは短めの作品である事!

また、自分が共感できそうな事を題材にしていたり、初期の作品から読んで作風や文章の変化を感じるのもおすすめです。

この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

今回記事で紹介した本はこれ!

女生徒 (角川文庫) [ 太宰 治 ]
掌の小説改版 (新潮文庫) [ 川端康成 ]
少年 [縦書き版]【電子書籍】[ 谷崎 潤一郎 ]
羅生門・鼻・芋粥 (角川文庫) [ 芥川 龍之介 ]

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